静脈確保

おそらく、大学病院で勤務を始めた研修医が一番最初に学ぶ手技かと思います。細かいことを言うと人それぞれやり方があるようですが、僕の経験では僕の勤務する病院のICUの先生に習ったやり方が一番成功率が高いように思います。以下覚書。

1)サーフローを留置する血管を決めたら、穿刺針を持たない方の手の人差し指と親指を使って、血管の上下を開くように皮膚を押さえて血管を伸ばしておきます。

2)逆血がわかるようにできるだけ穿刺針の遠位部を持ちます(チューブの接続部を握ってしまうと逆血がわからない!)。

3)血管に沿って穿刺針を進めます。このとき皮下に針をすばやくもぐりこませれば痛みが軽減すると思われます。

4)逆血がきます。このとき、外筒にも逆血がきて外筒が赤く染まってくれば外筒がすでに血管内に入っている可能性が高いです。逆に外筒が赤く染まってこないで、逆血のみある場合は内筒だけが血管に刺さっている証拠です。(切り口を上にして刺入した場合には、切り口が下向きになるように回転し、逆流が得られるか確認するのもよい。 )

5)内筒だけ血管に刺さっている場合には、外筒が血管内に入るように針全体を数ミリ進めます(22G→だいたい2mm程度)。

6)少し針を倒して、逆血があることを確認しながら外筒を進めます。このとき、穿刺針を持たない方の手は血管の上下を引っ張るようにに皮膚を押さえて血管を伸ばしたままで(張りを緩めない!)、外筒は針を持っている手の人差し指で進めるのがコツです。


・勢いよく穿刺しすぎて血管を一気に突き抜けてしまった場合は、逆血があるところまで針を引き抜き外筒を進めるとリカバリーできることがある。
・長期間薬剤の静脈内投与を行っている患者さんで、理由はよくわかりませんが、外観ではそれなりに太い血管であっても外筒が進みにくく感じるときがありました(外筒を進める際、狭い内腔に無理やり管を進めている感触がある)。こういう場合には特に、しっかり血管を引き伸ばしたまま外筒を進めることが有効です。